セントアンドルーズにいくといつも微笑ましく思うことがある。日本ではあまり見かけない、親子ゴルファーが多いのだ。日本だとゴルフは大人のスポーツというイメージが強いが、この地でのゴルフは老若男女誰もが楽しめるスポーツだ。
目次
●初心者や子供でもラウンドしやすい1520ヤード、Par30のコース
●芝生を走り回ることでゴルフ場の素晴らしさを体験
●少し距離が短めのストラスタイラムコースも親子が多い
●早朝のオールドコースをラウンドしている親子も
●コース内のレストランではベビーカーを連れた家族
●英国では1888年に子供ゴルフ倶楽部が創立
●ゴルフをまったくやったことのない子供が楽しめるパッティングコースもあり
初心者や子供でもラウンドしやすい1520ヤード、Par30のコース
セントアンドルーズにはオールドコースも含めて7つのコースがある。親子が最も多いのはバルゴブコース(Balgove Course)。
親子が多いというよりも、休日や学校がある平日でも午後になると子供連れではないグループの方が少ないくらいだ。1520ヤード、Par30(9ホール)と距離が短く、フラットでラフがないので、初心者でも気軽にプレーできる。
この地に何度も訪れている写真家の秋山真邦さんの著書『セント・アンドリュース 聖地で出会った本物のゴルフ(ゴルフダイジェスト社)』の中でもこのバルゴブコースを紹介。
「特に目立つのは親子連れのゴルファーたちで、ゴルフのフォームやマナーを教えながらラウンドを楽しんでいます。さしずめ日本でなら、公園でキャッチボールを楽しむように、ゴルフというスポーツを伝承しているようなのです」と記述している。
芝生を走り回ることでゴルフ場の素晴らしさを体験
日曜日にバルゴブコースに来た時、ゴルフ未経験者と思われる子供たちが集まっていた。ジュニアゴルフスクールを開催しているようだったが、まず何から始めたと思われるだろうか?
グリップの握り方?アドレス?それともマナー?
答えは鬼ごっこだった。まずはゴルフ場を楽しんでもらうという狙いなのか?とても共感した。
少し距離が短めのストラスタイラムコースも親子が多い
5620ヤードPar69(18ホール)のストラスタイラムコース(Strathtyrum Course)も親子が多い。このコースはセントアンドルーズのコースの中では距離が短く、フェアウェイも広いので初心者や距離がでない子供向き。中には子供だけでラウンドしている組もあった。
早朝のオールドコースをラウンドしている親子も
朝8時前、オールドコースの18番ホールをラウンドしている親子がいた。この時間だと1番ホールを朝一のトップでスタートしても18番までは辿り着かないはずなので、途中から数ホールをラウンドしたことになる。地元ゴルファーは年間パスを所有しているそうなので、このような自由なラウンドができるのだろうか?
いずれにしても、なんとも羨ましい!筆者の想像が正しければ、世界中のゴルファーが憧れるオールドコースを、朝数ホールだけ親子でしょっちゅうラウンドしていることになる。
ラウンドを終えた親子は、そのままカートを引いてコース沿いの道路を歩き車の方に向かっていった。帰宅後はそれぞれ仕事場や学校に行くのだろうか?
コース内のレストランではベビーカーを連れた家族
家族連れが多いのは、コース内のレストランも同じだ。日本のゴルフ場のレストランではまずお目にかかれないが、セントアンドルーズではベビーカーも入店OKだ。
英国では1888年に子供ゴルフ倶楽部が創立
1905年に刊行された『日本のゴルフ史(西村貫一)』によると、「英国においては(中略)子供ゴルフ倶楽部が1888年に創立されています」とある。日本に初めてゴルフクラブができたのは1901年なので、英国では随分昔から子供がゴルフを楽しんでいたようだ。
ゴルフをまったくやったことのない子供が楽しめるパッティングコースもあり
オールドコースの1番ホールの右側にあるのが広大なパッティングコース。ゴルフをまったくやったことのない子供たちでも楽しめるので、ここでも家族連れが目立つ。
また、おじいちゃんやおばあちゃんの姿も多い。無理なく体を動かせるパッティングコースは、健康にも良いだけでなく、ご近所さんとの親睦を図ることにも役立っているようだ。
世界のトッププロが技を競うオールドコースからパッティングコースまで様々なコースがあるセントアンドルーズ。この地では、子供から老人まで、ゴルファーはもちろん例えゴルファーでなくてもゴルフが楽しめる環境が用意されているのだ。