オールドコースは日曜休み。市民や観光客に開放!セントアンドルーズ情報

オールドコースは日曜休み。市民や観光客に開放!セントアンドルーズ情報

ゴルフの聖地、そして全英オープンの開催コースの一つとしても有名なセントアンドルーズ。筆者はこの地に2度訪れたが、本当になんとも言えない気持ちの良さを感じさせてくれる場所である。

もちろんリンクスのプレーも楽しんで欲しいが、是非オススメしたいのが日曜日にオールドコースに訪れること。なんと世界で最も有名なこのコースは、日曜日は市民や観光客に開放され、まるで公園のように利用されているのだ。

誰もが自由に楽しめる日曜日のオールドコース

「セントアンドリュース物語(日経BP企画)」によると、はるか昔の1592年、日曜日の礼拝に教会に訪れずにゴルフに熱中する人が増えてしまい日曜日にはゴルフをしてはいけないという規則ができたそうだ。

1618年にこの規則は緩和され、礼拝が終わればゴルフもしてもよいとされたそうだが長いあいだこの習慣は残った。現在はスコットランドのゴルフ場で日曜日に閉鎖することころはないようだが、オールドコースだけが400年以上も前にできたルールを守っているという。

最も混むはずの日曜日のゴルフコースなのに、プレーをするゴルファーはいない。ペットを連れて散歩をする地元の人、記念撮影をする旅行中の家族、緑の絨毯の上を縦横無尽に走り回っている子供、さらには歩き始めたばかりと思われる幼児など。

日本では想像もできない開放感が溢れるゴルフ場の景色が広がっている。

オールドコース18番グリーン近くの罪の谷
オールドコース18番グリーン近くの罪の谷(Valley of Sin)を歩く幼児。1995年にイタリアのコンスタンチノ・ロッカがここからチップインしてプレーオフに持ち込むなど数々の名勝負を演出してきた舞台も、日曜日は子供の遊び場に(2014年5月)
フェアウェイを走り回る父と娘
フェアウェイを走り回る父と娘(2014年5月)
フェアウェイには記念撮影用のピン
フェアウェイには記念撮影用のピンもあった。本グリーンの立ち入りは禁止(2014年5月)
ワンちゃんを連れ
ワンちゃんを連れている方々も多かった(2014年5月)

セントアンドルーズの人々はみんな優しい

筆者が最初にセントアンドルーズに訪れたのは2014年5月末。友人と2人でエジンバラ空港から、セントアンドルーズに向かった。市内に入りまずは宿泊するB&Bを探すために、車を止めて地図をチェックした(車に搭載されていた当時のカーナビの性能はイマイチだった)。

すると隣に横づけしてくる車が。てっきり怒られるのかと思ったら、「困っていることがあるなら言ってくれ」という。そして道案内をしてくれた。

滞在中は様々な撮影を行ったが、多くの人々が「写真を撮りましょうか?」と声をかけてきた。また、ショップ、レストランなど、どこに行ってもみんな笑顔。有名な場所なので世界中から多くの人々が訪れているが、観光地にありがちな人混みに疲れるようなことはなく、何故かこの地を歩いているとリフレッシュできる。

ゴルフが誕生するずっと前から宗教の街だったというセントアンドルーズ。この街は穏やかな幸せオーラを発している人が多く、それは他の人々にも伝染してセントアンドルーズ中をハッピーにしている感じがある。

全英シニアオープン開催直前の日曜日も市民解放を実施

2度目のセントアンドルーズは2018年7月。カーヌスティで開催される全英オープンの取材の際に立ち寄った。全英オープンの最終日の日曜日、取材対象の組は午後のスタートということと、宿泊先のダンディという街から30分で行けるということもあり、午前中はオールドコースが見たくてセントアンドルーズに訪れた。

「もしかしたらこの日は開放してないのでは?」と考えていた。全英オープンの翌週は、セントアンドルーズで全英シニアオープンが開催される予定だったからだ。通常メジャーの試合では、前週から練習ラウンドを実施する選手が多い。また、全英オープンなどの最終日は日曜日のため市民開放は行われないので、試合直前も同様な措置を行っている可能性が高いと思っていたのだ。

しかしこの日もオールドコースは市民に開放されていた。快晴の青空の下、老若男女に加えてワンちゃんまでもが、それぞれの楽しみ方でオールドコースを満喫。後で聞いた話だが、この日は夕方から、全英シニアオープンの練習ラウンドを実施されたそうだが、メジャーの直前でも日曜日は市民に開放するという約400年続いている慣習が優先されていた。

家族でオールドコースを散歩1
家族でオールドコースを散歩2
家族でオールドコースを散歩3
家族でオールドコースを散歩。子供だけでなくワンちゃんも大喜び(2018年7月)
コーヒー片手に散歩するカップル
コーヒー片手に散歩するカップル(2018年7月)
スウィルカンブリッジ
やはり一番人気はスウィルカンブリッジ(2018年7月)
17番ホールのグリーン近く
17番ホールのグリーン近く(2018年7月)
コース内の様々な場所
コース内の様々な場所を、市民や観光客が歩いていた(2018年7月)
バンカーの前には策
バンカーの前には策を設置しているところも。奥は4日後に開幕する全英シニアオープンのギャラリースタンド(2018年7月)
コース整備
コース整備も行われていた(2018年7月)

(注)セントアンドルーズにあるオールドコース以外の5つのコースは、日曜日も通常どおりプレーができる。